財務省は、2013年3月1日、2012年の「税関における偽ブランド品等の知的財産侵害物品の差止状況」をまとめ、その結果を公表した。
公表した内容では、輸入差止件数は、26,607件で、前年(2011年)に比べ14.3%増となり、これまで最多であった2008年を上回る件数を記録している。品物の数を指す「点数」においても、1,117,592点となり、こちらも過去最高となっている。これは、1日平均に換算すると、70件、3,000点以上となる数字だ。
地域別にみた輸入差止件数では、中国が25,007件で断トツの1位、構成比でも、前年の91.2%から94.0%にまで上昇し、逆に、韓国やフィリピンといった国が大幅に減少している。
品目別にみると、件数ベースでは、ハンドバッグや財布などの「バッグ類」が構成比45.1%となり、圧倒的なトップとなっているが、点数ベースにみると、「医薬品」が前年の7.3%から34.9%に急上昇した。
去る1月11日、2009年から続いてきた一般用医薬品のネット販売に関する訴訟では、最高裁判所が国の上告を棄却する判決を出している。この判決により、原告側のケンコーコムは、2009年から販売を停止していた医薬品のネット販売を再開した。4年近く続いた訴訟は、ネットの注目も大きく、このようなトピックも、医薬品の輸入を試みる数を急上昇させる要因となっているのかもしれない。
財務省リリース