
現地からの報告によると5月14日(木)、ロヒンギャ避難民100万人以上が密集するキャンプで新型コロナウイルスの感染者が確認された。バングラディシュ政府、支援団体が感染予防策を講じるものの、キャンプ外、バングラデシュ全体でも施設、物資、人材すべてにおいて医療体制が未整備な状態にあるという。
バングラデシュ全土では既に2万人以上の感染者が確認されており、混乱を極めるなか、最も脆弱とも言われる難民キャンプでコロナウイルス感染が起きてしまったことになる。
ロヒンギャの人々の生きるための長い闘い
ロヒンギャ難民キャンプでは、簡易的なシェルターの一部屋に大家族が暮らし、医療施設や物資の不十分はもちろんのこと、衛生状態も悪く、通信も遮断され情報が届かない。
感染拡大防止措置も、WHOガイドラインに沿って段階的に講じられているが、蔓延が起きてしまえば、外からの医療者や支援者の入域制限は更に厳しくなります。
世界の医療団(MdM)は、先月より感染症予防に特化した健康啓発活動をキャンプ内で進めており、これまで高齢者、障害者を中心とした1,000人近くの人々に予防法やリスクなどを伝えてきた。
まもなくイスラム教の断食月明け(イード)休暇が始まる現地だが、他の地域と同様に休日であっても感染症と向き合い続けなくてはならない。感染拡大防止に間に合うだろうかと不安の声が上がっている。